モデリングを否定的に考えてみる
世の中には「これが絶対いい」と言われているものでも、それに真向から反論していく意見はあるものです。
たとえば、健康・美容系などの市場では、お互いに対立する主張はいくつもあると思います。
たとえば、炭水化物を抜くことが健康に良いという意見もあれば、炭水化物を抜くと健康に悪いという意見もどちらも聞いたことがあると思います。
こういった対立した考え方は、もちろんビジネスの世界にもあります、
たとえば「モデリング」という方法は、ビジネスやスポーツの世界でも能力を向上させる手段として有効なものとして考えられているやり方です。
しかし、この「モデリング」にも、反論意見があります。
今日のテーマはあえてそのような「批判的な見方」で、モデリングについて考えを深めていきたいと思います。
モデリングとは
そもそも「モデリング」とは心理学用語で、簡単に言えば「モノマネをする」という意味です。
色々なところで登場する話ですので、今ではかなり浸透している言葉だと思います。
アフィリエイトやコピーライティングにおいても、「文章の写経」を実践されている人も多いと思いますし、まさにこの写経は「モデリング」が取り入れらているトレーニング方法だと言えます。
ただ、全く知らないアラビア語などをいくら書き写してもアラビア語が上達しないことと同じように、文章をとにかく移せば文章力が向上していくとは言えません。
必ずしも写経がコピーライティングスキルやアフィリエイトスキルの向上に繋がるかというと、単純にそうは言い切ることはできないと思います。
モデリングを否定する人の意見は、大体そういったポイントに焦点を当ててモデリングの危険性を説明するものが多いです。
モデリングの効果が薄れる原因
自分ではモデリングをしているつもりでも、スキルが思うように向上していかない原因は大きく分けて2つだと僕は考えています。
そのうちのひとつが根本的な原因ですが、「モノマネすべき対象がわからない」という原因です。
ある意味当然のことなのかもしれませんが、自分に相応の実力が無い段階であれば「何が良くて何が悪いのかもわからない」という状態だと思います。
実はこの段階でモデリングをしてしまうと、良いものか悪いものかわからないものをとにかく真似していくということになってしまいます。
これでは当然、スキルが向上していくはずがありません。
鶏が先か卵が先かという話と同じですが、モデリングして向上していくためにはそもそも、モデリングすべき対象を判断できる力が必要なのです。
ただこういう説明をしていくと、
「実力のある人に判断してもらえば良いんじゃないか」
という反論があるかもしれません。
しかし、モデリングをしても効果が薄い原因のうち、もうひとつの原因がこの反論の更に反論になります。
というのも、「人から与えられたモノマネ対象」は、それをモデリングしようとするとき、人はただ「目立つところ」を真似しようとしてしまうのです。
そして目立つところというのは、その大半が「悪いところ」となっていることが往々にしてあります。
これは音楽活動をしている知り合いに聞いた話なのですが、初心者のボーカリストは「誰かのモノマネ」をすると、大半が「悪い癖の部分だけを真似る」という結果になってしまうそうです。
つまり「何をモノマネすべきかわからない段階」では、モデリングするべき良い例をたまたま対象にしたときでも、悪いところだけを真似てしまうこともあるということです。
ということは、セールスレターを「売れているから」や、「成約率が高いから」という理由だけで写経をしている場合には、まさに悪いところだけを真似てしまっているのかもしれません。
モデリングはダメなことばかりなのか
ここまでは「モデリングを否定的な見方」で見てきましたが、決して僕はモデリングを否定するつもりはありません。
むしろ僕も「成長のためには欠かせない手段」と考えています。
ただ今回のようにあえて自分の考えているものを否定的に見て、
「自分が信じているものは、実は正しいものでは無いのかもしれない」
と疑いを持つことは考え方を深めることにもなるので、ビジネスで成果を出すためには欠かせない態度ではないでしょうか。
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